美しい里山公園 生き物図鑑 ③ アオダイショウ
すっかり暖かくなった今日この頃ですが、この時期になるとよく道路に出てくる生き物がいます。
ヘビです。独特の青みがかった体色から、「アオダイショウ(青大将)」という名前が付けられています。
道路の真ん中に寝そべって、日光浴をしていました。
アスファルトが熱を持つので、体を温めるのに適しているんですね。
ちょっと失礼して...
ヘビを捕まえる時は、足で踏んで体を押さえつけ、素早く頭を掴むようにします。
ただし、踏みつける力が強すぎるとヘビを傷つけてしまいますし、掴む際にも素早くしないと手を噛まれてしまいます。
自信のある方以外は、手を出さずそっとしておくことをオススメします。
ヘビと聞くと、「怖い」「気持ち悪い」と嫌悪感を持つ方も多いかもしれませんが、実はとても面白い生き物です。
「手も足もないのに、どうして自由自在に動けるんだろう」と思ったことはありませんか?
ズバリ「蛇行運動」と呼ばれるクネクネした動きは見たことがあると思いますが、実はその動きの他にも、重要な体の構造があるんです。
それがこれ、体の下側にある「腹板」というものです。
お腹側の鱗がキャタピラのようになっていて、これを地面や木の枝などに引っかけることで、滑ることなく地面を移動したり、木に登ったりすることができるんです。
ちなみにこの腹板を見ることで、あることが分かります。
それは、尻尾と胴体の境界です。
実は、腹板の並びが変化する部分が総排出孔(肛門、尿道、生殖器を兼ねる穴なのでこのように呼ばれています)になっていて、ここまでが胴体、ここから後ろが尻尾というわけです。
この総排泄孔より後ろの尻尾の太さを見ることで、オスかメスかを見分けることもできて、尻尾が胴体とほぼ同じ太さならオス、ほっそりしていればメスです。
ということでこいつはオスでした。
もう少し失礼して...
口の中には歯が生えているんですが、上顎をよく見て下さい。なんと歯が4列になっています。
さらにそれぞれの歯が口の奥の方に向かって湾曲して生えているので、咥えた獲物を逃しにくくなっているんです。
そしてさらにびっくりなんですが、ヘビの下顎の骨は左右が繋がっていなくて、それぞれ自由に動かすことができるんです。
なので顎を上下だけでなく左右にも広げて大きな獲物をのむことができる上、手前にたぐり寄せるよう顎を動かすことで、スムーズにのみ込むことができるんです。
ちなみに獲物を呑み込む際に窒息しないのは、気管が筋肉の鞘に包まれているからです。
下顎の丸い穴が気管です。
ちなみにこのヘビは危険を感じると臭いにおいを出すので、手ににおいがつきます。
臭い以外は特に害はありませんが、すぐに手を洗える状況にない場合は、そっとしておいた方が良いです。
これはどんな生き物にも言えることですが、触ったら必ず石鹸で手をよく洗いましょう。
アオダイショウくん、撮影ご協力ありがとうございました。
いろいろいじくりまわしてごめんなさい。